牛乳は噛んで飲む

こっそり転職活動を行うグラフィックデザイナーのなんてことない日常。

組み体操の思い出

最近、組み体操が話題になってるみたいですね。個人的には組み体操はすごく嫌な思い出として残っているので、当時のことを思い出しながら書いてみます。

もう20年ほど昔のことなので、断片的にしか覚えていないのですが…。

 

「小学6年生は学年全員で組体操をする。」

 

当時通っていた小学校ではこれが決まりでした。なので自分が6年生になったとき、組み体操をすることに何の疑問も持っていなかったはずです。

2学期に入ってすぐぐらいから運動会に向けてリレーや団体競技、そして組み体操の練習がはじまりました。

今は身長が161cmあり日本人女性の平均的な体型をしているのですが、小学生のころは身長順で並ぶときは必ず一番前でした。学年で一、二を競うぐらい小柄だったのです。

なのでサボテンも上。飛行機も上。山も上。ピラミッドも一番上。だいたいの技は自分のポジションが決まっていたのですが、肩車は全員が上と下の両方をするという流れでした。

わたしが肩車でペアを組んだ子は身長はさほど変わらなかったのですが、明らかに平均体重を越えていると分かるぐらい恰幅の良い体型。たぶん身長順でペアを組んだのだと思うのですが、当時の写真を見たら体格の違いは歴然としています。

いくら身長が同じとは言え、その子を肩車で持ち上げるのはかなり厳しく、周囲の子たちはすんなり肩車をしているのに自分だけが持ち上げることができませんでした。

そんな姿を見て、担任教師から一言。

「真面目にやりなさい。」

いやいやいや。いやいやいや。真面目にやってますよ。大真面目ですよ。しかしそんな気持ちは一切伝わらず、ペアが変わることはありませんでした。

そして今問題になっているピラミッド。当時は今のように高さを出すことに熱心になっていなかった時代だったので5段のピラミッドだったと思います。

一段、一段とピラミッドができあがっていき、最後に一番上に昇るのですが、これが結構怖い。人が作り上げた段なので当たり前ですが、不安定なんですよね。微妙にゆらゆら揺れる。一番上に昇って、教師が笛を吹いて全員が顔を上げる瞬間。ここもかなり揺れる。5段ピラミッドとはいえ、怖いのでどうしても中腰のような姿勢になってしまうのですが、その姿勢になった途端に教師から「ピシっと立て!ピシッと!」と怒鳴られます。ピラミッドの不安定さ・高さに加え、教師からの怒号も恐怖でした。

ある日の練習中。いつものようにいろんなものに怯えながらピラミッドに昇ると、下の段の子がくしゃみをして大きく背中が揺れました。その瞬間わたしはバランスを崩して地面に落下。どう落ちたかは分かりませんでしたが、背中と腰あたりが痛く地面にうずくまっていました。

するとそれを見たマイクを持って前で組み体操を仕切っていた他のクラスの教師が「森田が失敗したから、ピラミッドやり直し!」とマイクを通して大声で全ての生徒に伝えました。

もちろんみんな「またやるのかよ~。」といった反応。なかには「一番ラクなところなのに失敗ってありえないだろ~。」と言ってくる子もいました。

仲良くしてくれていた子だけが唯一「大丈夫?」と心配して声を掛けて来てくれたのですが、担任教師は「早くスタート位置につきなさい。」とだけ言われました。

そのときは心底腹が立って、もう練習を投げ出して帰ってやろうかとも思いましたが、ここで逃げるわけにはいかないとなぜか躍起になって痛みをこらえて練習しました。

それまでも教師に対して「その対応どうなの?」と子どもながらに思う部分があったのですが、この組み体操を通じてその気持ちが強くなったのは間違いないです。

わたしは運良く大きな怪我をしませんでしたが、あのときもし頭から落ちていたらと思うと今でもゾっとします。

組み体操をされるお子さんがいらっしゃる方には、子どもが練習中に怪我をしていないか、落ちたり倒れたりしなかったかを見てあげてほしいです。自分から言えればいいのですが、はずかしかったり悔しかったりでなかなか自分から言えない子もいるので。

本来は学校側で危険がないようにきちんと指導することが一番大事だと思うんですけどね。闇は深い。

DVD付き みんなが輝く組体操の技と指導のコツ (ナツメ社教育書ブックス)

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 先生、激務なのは分かるんだけど頼むよ……