映画『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』のファイナル感のなさ
仲村トオル狂の友人にさそわれて『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』を観てきました。
ここから以下ネタバレが含まれますので、ご注意ください。
【あらすじ】
医師で作家の海堂尊による人気ミステリー「チーム・バチスタ」シリーズ(田口・白鳥シリーズ)の第6作にして最終作「ケルベロスの肖像」(宝島社刊)を映画化。東城大学医学部付属病院の心療内科医・田口公平は、東城医大と国と自治体が三位一体となって取り組む死因究明システムの一大改革による国際Aiセンター(Ai=オートプシーイメージング:死亡時画像診断)発足に向け、奔走していた。そんなある日、東城大に「三の月、東城医大病院とケルベロスの塔を破壊する」という脅迫状が届き、高階病院長の指示を受けた田口は、脅迫状の真相解明の任も背負うことに。一方、開設が間近に迫るAiセンターには、目玉でもあるマンモスMRIマシン「リヴァイアサン」が導入されるが……。2008年のテレビドラマ「チーム・バチスタの栄光」から続く、伊藤淳史&仲村トオル主演版の完結編となる。
チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像 : 作品情報 - 映画.com より
エンドロールが流れてきたとき『えっ!?これで終わり?』と思ってしまいました。
一応事件は解決したのですが、タイトルに“FINAL”って付いてるわりにはファイナルな感じがありませんでした。
せっかく映画にしてるんだし、これでチーム・バチスタは最後だよーって言ってるんだから、もっと大げさにしてもよかったんじゃないかなぁ。
なんかちょっと『反応がよければ、また続きやりまっせ。』みたいな空気を漂わせた終わり方だったように思います。
『踊る大捜査線 THE FINAL』を観たときも同じような感じがしたことを思い出しました。
未練がましいというか、はっきりしないというか……
ドラマ版からずっとチーム・バチスタを観てきたファンとしては終わってしまうのは寂しいですが、最後というならきっぱり終わってほしかったです。
全体的な感想は映画でなくてもよかったなというのが正直なところ。
はじめの戦車が出てきちゃうところとか、Aiセンターのところとかドラマに比べてお金かかってるなぁと思うところがいくつかあったのですが、終始地味。
医療ものなので大量の火薬を使った爆破シーンがないのはハナから分かってましたが……
2時間ドラマを無理矢理映画にしたような感じでした。
あと一つ気になったのが、東城医大みたいな大きな病院のシステムを一人であんな短時間でダウンさせることができるのかということ。
病院のシステムに関する知識は全くないのですが、あれだけ大きな病院だとセキュリティも頑丈にしてると思うんですよね。
患者さんのカルテはもちろん、点滴の管理も会計も全てコンピュータで管理されてるわけですから。
そう簡単にダウンするもんなのかねぇ。と。
もしかしたら犯人がコンピュータに関するスキルにも長けていたのかもしれませんが。
そもそも犯人の動機には納得できるのですが、なんかちょっとキャラクターが弱いような気もしました。
それに反して白鳥さんはオーバーすぎましたね。
仲村トオルの演技力どうのこうのというより、演出に問題ありな気がしました。
たしかに白鳥圭輔は癖のある人間なんですが、その癖が変な方向にいってしまって……
ドラマでもその片鱗はあったのですが……
やや批判的な感想が続いてしまいましたが、オススメできる部分もちゃんとありましたよ。
それは西島秀俊です。
西島秀俊がというか、速水先生がよかったですね。
ドラマのときと変わらず厳しいことを言うのですが、統率力が素晴らしい。
部下を信頼し、士気を鼓舞し、自らも率先して行動する。
まさに理想の上司。
あんな上司の下でだったら、どんなにひどい納期でも、日々続く悪夢のような残業も笑顔で乗り切れそうです。
『男前』という要素がかなり大きく影響している可能性は否定できませんが。
とはいえ、西島秀俊が出てるシーンはそんなにないので、西島秀俊ファンの人でもわざわざ映画館で観なくてもいいかなぁと思ってしまいました。
ドラマシリーズをずっと観てきた人は最後なんで、時間とお金に余裕があったら映画館で観てもいいと思います。
【映画化原作】ケルベロスの肖像 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/01/09
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原作とはちょこちょこ違う。